重度の歯周病から救う再生療法
歯周病は、歯を支える骨や歯肉などの組織が炎症を起こし、徐々に破壊される疾患です。歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、歯がぐらついたり、最悪の場合、抜歯しなければならないこともあります。
歯周病の治療には、歯石除去や抗生物質の使用などが一般的ですが、最近では再生療法と呼ばれる治療法が注目を集めています。
再生療法は、歯周病の原因である細菌を排除するとともに、損傷した歯肉や骨を再生させることで、歯周組織を元の健康な状態に戻す治療法です。
具体的には、歯周病が進行した場合、歯肉から骨に至るまでの部位にリグロス、エムドゲインと言った再生促進材料を投与することで、細胞の増殖や組織の修復を促します。また、骨を再生するための骨補填材を使用することもあります。
健康な歯周組織に戻す再生療法
歯周病を考える際には、歯を支えている歯周組織を忘れてはなりません。歯は骨によって支えられており、歯周組織には歯肉、歯槽骨、セメント質といった部位が含まれます。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けることによって、歯が動き始めます。歯が動くと、食べ物を噛みにくくなったり、周りの歯も動き始め、全体的な歯並びまで影響を及ぼします。歯周病の最終的な結末は、歯の根の先端まで周囲の骨がなくなり、歯が抜け落ちてしまうことです。
実際の統計データでもわかるように、抜歯の原因の第1位が歯周病です。
歯周病の進行を見極めるための指標となるのが、歯周ポケットです。健康な歯周ポケットは、約2~3mmとされていますが、歯周病の歯では約4㎜以上の歯周ポケットとなります。
歯周ポケットを減らすためには、歯周病菌の繁殖を抑える必要があります。歯周病治療において、再生療法は、歯周組織の再生を促し、歯周組織を元の健康な状態に戻すための治療法として、有効であるとされています。